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新作を作っている。

完全新作はロミジュリ日本版以来。
今年度はこの後は企画公演や再演が続くので、デスロックでの完全新作は今年はこれだけ。
個人としては、いわき、神戸でも作ります。

しかし、新作を作るのは、やはり楽しい。
久々にメンバーだけだし。まぁ新メンバー入って初めてだけど。

企画書にはこんな文章を書きました。
言わずもがなの事ばかりですが、まだまだ言い続けていけないといけないと思ってます。
どうぞよろしくお願いします。

今回の公演は、アーサー・C・クラークの名作小説『2001年宇宙の旅』『2010年宇宙の旅』をモチーフに、キラリ☆ふじみに野外舞台を設営して上演します。

さて、2001年から2010年というゼロ年代といわれるこの10年間は、現代史の中でどう位置づけられていくのでしょうか。
21世紀の幕開け、そして東京デスロック旗揚げの年でもある2001年は、ブッシュ政権と小泉政権が誕生し、そして9.11、池田小学校の事件もこの年。そして小説の中のディスカバリー号は土星へと向かいます。

SF小説の中では、未知との遭遇、人類と地球は宇宙のシステムの一部であり、生命誕生は何かの実験であるといったようなモチーフが良く出てきます。このモチーフ、そもそもSF自体に魅力を感じるのは、その根底に、「われわれは何のために存在しているのか?」という普遍的なテーマがあるからでしょう。それは全ての芸術に通じているテーマとも言えます。

そして10年が経ちました。20世紀の幻想は崩れ、崩れたことにもいい加減気が付き、いよいよ人類は新世紀を迎える、そんな気配を感じています。
この10年で演劇、芸術を取り巻く環境も変わってきました。
演劇人はバイトをしてTVに出るための下積みをするという時代も、どうにか終わってくれると感じています。

「芸術で腹はふくれない」と言われてきた時代、目の前に米があればそれを食べるのが当然でした。少なくとも20世紀はそういう時代だったとのでしょう。しかし現代の日本では、自殺者はバブル崩壊後の1998年から毎年3万人を越え続け、特に20代30代では死因のトップを占めています。
今は、目の前に米があっても食べることが困難な時代なのです。いくら周りが食べろ食べろと言っても、本人に食べる気が起きなければ意味がありません。そして、食べる意欲を、生きる意欲を湧かせるものの一つに、芸術があるのではないでしょうか。

芸術の強いところは、自分の中に起きることが、他人から押し付けられたことではなく、自ら選択したものであるということです。だから絵を見て美しいと思ったり、音楽を聴いて心が躍ることに価値があるのです。
演劇は、人間の多様性や、問題を抱えているのは自分だけではないという事、人間の存在自体を表現し、感じることができます。
存在の肯定、目の前で上演される舞台表現の持つ強さはそこにあると思います。

今回の公演にテーマがあるとしたら、人間の存在、ということになるでしょう。
音楽家の大谷能生さん、そして日替わりゲストを迎えて、舞台で共にライブします。
大谷さんの活動は多岐に亘りますが、専門はジャズ。インプロヴィゼーションというのは、その場の思い付きではなく、その瞬間どう存在するか、どう関係していくかです。われわれ人間の存在も、関係というものの中から生まれていくものです。

「われわれは何のために存在しているのか」というSFの定番テーマにのせ、野外空間と、地球と、宇宙と、関係を見つけ、われわれの存在を感じられるような公演にしたいと思っています。

演劇は、創作の過程でも他者とのコミュニケーションやプライオリティの選択など社会生活に欠くことのできない能力が必要とされます。
この10年間での教育界への演劇の普及は、演劇の力が必要とされ始めたと言えるでしょう。
僕自身も一般市民対象や教育機関でワークショップをすることも増えました。そこで参加者にいつも言うのは、芸術は特別なものではなくて、誰にでも楽しむことができるものだということです。

東京デスロックも東京での活動を休止し、地域での活動を始めて1年以上が経ちました。僕自身はキラリ☆ふじみの芸術監督もやらせていただいています。日本が新しい時代を迎えるなら、人と芸術が共にある姿、そんな未来を描いていきたいと思っています。100年後に向かって。
2010年の富士見でのひと時も、私たちの体験として間違いなく100年後につながっていくのです。

東京デスロック『2001年-2010年宇宙の旅』どうぞよろしくお願いします。


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