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久々ですが、作品解説です。

今回は、初の吉祥寺シアター、しかも3日間のみという条件の中、多くのお客様に来ていただいて、どうもありがとうございました。
今回初めて東京デスロックを観ていただいたお客様も多かったようで、unlockシリーズラスト/REBIRTHシリーズファーストとしては良いタイミングだったと思います。

さて、解説します。
最初に断っておくと、この作品解説は、とくに作品の本質や正解が書いてある訳ではありません。
演劇は、観たその日の体調や、前の日にあったことや、その人の生活に左右されるもので、観た人数分の数の本質があるものだと思ってます。
こういう風に感じて欲しいという事は基本的にお客さんに対しては思っていません。
それこそ、椅子取りゲームにトラウマがある人もいるだろうし、マクベスを隅から隅まで熟知している人もいるだろうし、最近身近に不幸があった方も、近日中に挙式予定の方もいるでしょう。
わたしはこう感じたけども、その作品はこういう構造の上につくられていたのね、と言うくらいにとどめておいてください。
じゃあ解説すんなというところですが、僕の宿志は作品を作り続けるだけではないので、まぁしばらくは出来る限り解説も続ける予定です。

■大枠
今回はunlockシリーズラスト/REBIRTHシリーズファーストということで、unlockシリーズでの方法を使ってマクベスを現前化する、という事を目指した公演です。

■戯曲について
トークで言い忘れましたが、上演台本は10ページしかありません。
普通に読むと30分で終ります。なので、上演時間1時間30分の間、1時間は無言だった(イェーイは除く)事になります。
相当なダイジェストです。
坪内逍遙訳に関しては、おそらく多くの方が、坪内訳で上演するならば、坪内訳でないといけない理由がないといけない、と考えると思いますが、僕はそう思っているわけではありません。
坪内訳じゃないといけない理由はありませんが、坪内訳の方が面白いとは思っています。
100年前の言葉を聞く、という体験をしてもらうというのとか、言い回しが格好良いとか、REBIRTHシリーズも始まったばかりだし、これから色々考えていくのだと思います。
100 年前にはこんな言葉使っていたのか、じゃあ果たして現代話されている日本語は100年後どうなるんだろう、現在書かれている戯曲は100年後どうなるんだろう、とかいうことには興味がない方にはイマイチ良くわからなかったかも知れません。そういうつもりで坪内訳を選びました。
ただ、僕は舞台上で俳優が100年前の言葉を話している事でドキドキしてしまうのです。
台詞の発し方は、その俳優がその瞬間格好良く見えれば何でも良い、位に今は考えてます。
コミュニケーションは、それとは別の事。

■あらすじ説明について
今回はまぁunlock総集編なので、まぁやっとかないと、というところでもありますが、恐らく、マクベスのストーリーを知らないで観に来るお客さんが多いだろうと思って説明しました。
演劇は舞台でストーリーを当然説明してくれると思ってる人も多いでしょうし。
演劇は物語を伝えるべきか、というとこはまぁ追々。
基本的には、全く日本語が分からない人が見ても楽しめるように作りたいと思っています。
もちろん日本語わかる人とは別の楽しみ方だろうけども。
全編無言で同じ事やっても面白いかどうか、とかかなぁ。

■冒頭~最初の台詞まで
最初の台詞まで大体20分あります。
なぜそんなにあるのかというと、最初の台詞「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」をどうやったら言えるかなぁと思ったらああなりました。
基本構造は「LOVE」に近いですが、現代の日本人がイスを取るには、まずは譲り合いから始めるだろう、という感じです。激しい奪い合いにはならないのも「LOVE」とは違う点です。
欲望をむき出しにするというのは、あまり現代的ではないだろう、という感じです。
現代人にとって、無上に権力を欲しがる、というリアリティはあんまり無いんじゃないかと思ってます。
権力の先にある責任とか、面倒臭さとか。
マクベス、で、イス出てきた時点で、椅子取りゲームになるのはほぼバレているので、その過程を見てもらえればなぁという感じです。全員が、順番に裏切られて、台詞となります。
冒頭のシーンは「キレイはキタナイ」部分と言えるでしょう。

■椅子取りゲームについて
トークでも両日とも質問がありました。マクベスが先か椅子取りゲームが先か?
マクベスが先です。
稽古当初舞台上に欲望を渦巻かせる為には、という事と、舞台上で悪いことをするには、を目指していて、プレビュー2日前にようやく出てきたのが椅子取りゲーム。
ロミジュリで「だるまさんがころんだ」をやったのだから、そうそうに思いついても良いもんだけども、悩みに悩んでやっと出てきた。そんなもんです。
欲望とは何か?を、大人9人で話し合って出てきたのがこれか、という感じですけども、椅子取りゲームの前は、くるくる踊ったり、馬乗りになったり、重なりあったりしてました。

あとは見ていただいて分ると思いますが、椅子取りゲームをマクベスの筋に合わせていきました。
基本マクベスが運命と対峙している時、さぁ来い!運命よ!みたいなことを言ってる時に椅子取りゲームをしています。
夫人とマクベス、後半のマクベス1人の椅子取りゲームのシーンは個人的にはとても好きなシーンです。

■WALTZについて
なにせタイトルが「WALTZ MACBETH」ですから、実は全員ワルツが踊れます。
稽古当初は毎日ワルツの練習をしていました。
大体そんなもんです、やるかも知れないことは全部稽古をしといて、最終的に組み立てる、という感じです。本番何週間も前から本番で何やるかが決まっていたりはしません。
基本的には、
・一人では踊れない=マクベスとマクベス夫人
・3拍子=過去・現在・未来
・回る=ループ
という事で「WALTZ MACBETH」です。
結局本番では佐山さんの独りワルツで日の目を見た訳ですが、目が回っている人がマクベス夫人の台詞を言うとけっこう面白い、というのがなぜかは僕にも分かりません。
戯曲に甚だしい悩乱状態と書いてあったので、どうすれば甚だしい悩乱状態を作れるかと思って回りました。

■吐血について
コーナーのグラスに入っていたのは血糊です。ワインじゃありません。
公開ゲネの日の午前中までは、血糊袋をコーナーに置く予定だったのですが、器がワイングラスになったので、んじゃあ血糊直接で良いじゃん、ということになりまして、急遽液体そのまんまに変更。
相当段取りが楽になった。
血糊の掃除は毎日大変でした。
血に染まる足袋も良かった。が、洗濯も大変でした。

■曲
オープニング   「不死身のエレキマン」ザ・ハイロウズ
イス取り基本曲 「GAME」Perfume
王室のイスとり  「ワルツ:春の声」ヨハン・シュトラウス2世
イス取り2     「Desire」U2
夫人悩乱     「時代」中島みゆき

後半の延々と回っているのはGAMEが3回ループしています。12分くらい。
ニコニコ動画でのPerfumeのループは有名だけども、それはあんまり関係ありません。

■照明について
これはもう、岩城さんの素晴らしさにつきますが、基本3原色でつくられています。
これはソラリスと同じ。ただ、今回はキャンパスがデカイ、ソラリスより更に岩城さん大暴れ。
全くもってどうやってるんだか。
そしてこの人が青年団の照明を作っているとは、なんと奥深いんだろう。
ただ、だからこそ、今回の照明も出来るのだと思います。
要するに、優れているのです。
今回のお気に入りは、色がグルグル回るところはもちろんの事ながら、メチャクチャ明るくなるシーン。床面がレフ板がわりになって更に明るい。
なかなか演劇であの明るさは見れない。

■美術、舞台について
「別」以来の濱崎君。驚愕のケコミを付けてくれました。
あれがなかったら、ワイングラスの血糊も無かった。
床面は格闘技用のマットです。
平戸間は、吉祥寺シアター開館以来初です。
これもやりたかったことの一つ。一応グローブ座をイメージしています。
全方向客席もその為。

■延々回ったりしてる事に関して
まぁお約束といえばお約束なシーンですね。佐山さんの雄叫びも。
俳優をいじめたい訳ではないんですが、最後のシーンに繋げるにはあれくらい無駄な時間が必要だったので延々回ったり踊ったりしました。
実際12分回り続けるなんてことは、それほど大変なことではないので、実際にあそこまで疲れている訳ではないです。本当半分嘘半分位じゃないかなぁ。まぁ疲れてはいるんですけども。
本当に疲れてる必要はなくて、お客さんが嘘だと分かってても騙されようとしてくれるライン、というあたりが演劇の難しいところです。本当に疲れてるのが見たければマラソンとか見れば良くて、ただ、マラソンランナーは途中で歩いたり、なんかの弾みで頑張って元気になったりしてくれないので、疲れをメタファーとして見せる、という点では僕らのやってることは確実に演劇だと思ってやってます。
あとはまぁ、舞台で回ると風が起きる、というのは韓国できづいたんだけども出来て良かった。さすがに二階席には届かないけども。

■ラストについて
まぁこれもお約束となったループですが、これも、最後再び発せられる「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」の為に作られた、というか繰り返されたシーンです。
冒頭が「キレイはキタナイ」シーンなのに対して、ラストは「キタナイはキレイ」シーンと言えるでしょう。
結局はマクベスはこの台詞に集約されている、と、思ったのは楽日くらいですが、冒頭とは、まぁ基本全く同じ段取り、途中はしょっていたり、永井さんだけ座らなかったりしていますが、イスを譲っていた段取りが、イス欲への拒絶だったり、甘受だったりということにも変わっていますが基本同じです。
で、マクベス=人間の欲望へのスタンス、というところです。見たまんまですが。
結局最後には永井さん=マクベスも椅子に座ります、さすがに人間には欲望があります。
それで良いのだと思います。
むしろ、欲望が無いとする、イスを譲る、ところになにやら汚さを感じ、しかしそこには結局は確実に欲望があるという事、キタナイという事があって、でもそれを認めて、それを抱えて生きていこうとする姿に人間の美しさを感じる、という事かなぁと。
「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」そんな事をシェイクスピアさんは書きたかったのかなぁと。
最後にイスの周りを回っている姿がキレイに見えたらなぁと。
裏話としては、音楽が止まって、全員万歳をした後、羽場さんがイスに座るまでに30カウント、そのあと石橋が椅子に座るフリをするまで30カウント、そのあと寺内さんがイスを起こしに立ち上がるまで100カウント数えてもらってます。現代口語演劇っぽいところです。

■まとめとか今後
今回は、何度も言ってますが、再生~unlock総まとめ、なんですけども、まぁ各公演自体は単発で観た方がもちろん各要素が特化してるのでそれを楽しむ分には面白いと思います。
やはり「再生」とは本質的に違う作品ですし、あれは、「再生」でしかないので。
再生から19ヶ月で11本作って、現段階の僕の演出というのはこれです、という作品にはなったと思います。
そしてREBIRTHシリーズファーストということで、いよいよ戯曲とどうやっていくかと言うことなんですが、とりあえず今回はunlockが戯曲とどうなるか、というところでした。10ページしか使ってないけども。
どういう状況でこの台詞を言えば良いのか。というところは今後も考えていくと思います。

以前も書きましたが、20代と30代というのは個人差はあっても色々変わっていくんじゃないかと感じています。
興味の移り変わりというのもあります。
疲れる、というのも、無言、というのも、特にデスロックが特別にやっている事ではなくて、この時代に自然に生まれてきた(といってもそこまで革新的ではありませんが)だけのことで、おそらく僕たちの世代のそういう生まれる時代というのはもう終るのだと思います。
一時終る、ということかもしれませんが、生み方というのは変わる、ということを切実に感じています。
次の世代達がそういったことはやってくれるでしょう。柴君とか。
目の前で人が疲れているように見える演劇、全く喋らないでコミュニケーションだけ見える演劇、なんて一過性の時代の産物にすぎないのでしょう。

演劇の可能性を提示する、ということを目指し続けた20代、この受け入れられ無さすら麻痺してきたところで、韓国があって、まぁ本当にどこまで韓国で受け入れられたかも微妙だけども、日本よりかは受け入れられてるっぽいなぁ、ということもあって、ちょっと総まとめ的な公演になったというのもあるんだけども、まぁ相変わらずそんなに受け入れられてはないんだけども、恐らく、このスタイルで今までの方向を保つというのは現実的ではないだろう。
具体的に言うと、演劇の可能性をこういった形で提示しようとしていても、このスタイルでは何も出来ない、ということが分かった気がします。
もちろん作品を楽しんでくれている人もいるし、今回も全然好評に終ったと言えるんだけども、それはそれで良くて、ただ公演を打つ目的がそこにしかない感じなっちゃうと、らちが明かないというか、別に面白かったといわれるために作ってる訳じゃないんだけども、それはなかなか伝わらないんだと言うことはunlockシリーズを通じてなんとなく分かった事かなぁ。演劇にはこういう事が出来ますよという事には、さほどみんな興味なくて、それよりも既成の枠組み、であることも意識する必要はなく、そこでどうやっていくかの方がやはり優先されるべき事みたいだなぁ。
とりあえず、しょうがないのでこの感じで行くしかない、という風にはならないようにしたいと思ってます。
さて、どうしよう、というとこですが、まぁ見た目はそんな変わら無いとは思いますが、基本的に考え方を改めようかなと思ってます。作品のあり方とか。
ともすると演劇嫌いの道に進みかねませんが、そこはまぁ踏ん張ります。
踏ん張りすぎると反動が怖いですけども。

次回は9月に「REBIRTH#2 演劇LOVE 2008」です。
とりあえず、REBIRTHシリーズで、東京デスロックのシリーズ物は終る予定です。
今後とも東京デスロックをよろしくお願いします。




민정~!
공연은 무사히 종료했습니다.
가까운 시일내에 무대 사진을 BLOG에 UP 합니다.
기대하세요.
【2008/05/18 00:41】 URL | JNSK #-[ 編集]

このコメントは管理者の承認待ちです
【2008/05/16 15:40】 | #[ 編集]















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