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作品解説です。


発情期『HERE I AM-ドン・キホーテがやってくる!-』

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これに関しては、見てもらったまんまだと思うのであまり解説することがないんですけども、
夏目一人芝居は、前々からやろうという話は出ていて、今回ようやく実現しました。
東京デスロックの作品の抽象化に伴い、夏目の客演が減少するという問題に歯止めをかけようと、夏目の使い道の一つを示す、というのが主な趣旨です。
あと、スペインから来日したテアトロフィーアへのホスピタリティです。
僕が韓国に行ったときに、オリザさんや坂手洋二さんの作品を上演してるのを観て、何だか嬉しかったように、自分の国の作品を上演しているのを観るのは喜んでくれるんじゃないか、という目論見です。
どうやら、喜んでくれたようです。
テアトロフィーアのメンバーと、ドン・キホーテについての話も出来て、上演して良かったと思います。

素舞台で白壁に向って突進し続ける、というスタイルは、稽古当初はそうではありませんでした。
当初は、人形を使って、人間丸見えの人形劇として稽古していましたが、客席から人形が見えない、というのと、夏目宅でやっている所を見ないと面白くない、ということで、あのスタイルに変わりました。
サンチョ・パンサ視点が、ドン・キホーテを眺めるには良いだろう、というのもあります。

発情期ですので、演劇をやりたいけど仲間が居なくて、一人で発情する、というコンセプトは一貫してありました。
あとは、演劇の嘘を信じ切る、という点にも気を使いました。
演劇は嘘です、舞台上で行われることは本物である必要はありません、ただ、観客が現実に結びつけられるようなものを感じてもらえれば良いのだと思っています。
それが、リアリティだとも思っています。
舞台上にリアルはいらない、観客が現実に還元できるリアリティを感じてくれれば良いのだと思います。
作り手は、そのリアリティを届けるために、時にはリアルを使い、時には嘘を使います。

初の客いじりをしました。
手段はどうでも良いのだと思っています。演劇を楽しんでもらうことが優先です。
東京デスロック史上もっとも東京デスロックっぽくない作品になりましたが、やりたいことは別に変わっていません、手段はどうでも良いな、と、そんな事を考えていただけです。

初日以降に、穴に落ち続ける、笑い続ける、というシークエンスが増えました。
初日のアンケートに、糞コント、東京デスロックはもう二度と見ない、とご意見いただいたからです。
御陰様で少し面白くなりました。ただ、くれぐれも、もう二度と見ないでください。
多分お互いに不幸だと思います。
我々は糞コントを作り続けてると哀れに思って下さい。我々にはそれしかできません。
アンケートに対する返答も、時には必要だと思っているのでアンケートを実施しています。


蜜月期『ジャックとその主人』
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蜜月期ですので、演劇の幸せを考えました。
紆余曲折、とまでもいかず、すんなり、自分の好きに作るしかない、となりました。
自分の考える演劇の幸せを作品に乗せよう、という目論見です。
運良く運命論者ジャックとその主人に描かれている運命論なるものが、非常に演劇の根本の一つにマッチしたモノだったので、その運命論に主眼を置いて構成、演出しました。

運命は、決まっていると、みんな嫌がる。
もしくは、運命が決まっていて、それを知ってしまうと、みんなテンションが下がる。
といったとこが運命のイメージだったり、
終ったことに関しては、運命だった、と、ポジティブな感じになる。
というのもあるでしょう。

演劇は、そもそも決まったことをやる類の芸術です。
時には即興性なども使いますが、基本決まってることを決まった通りにやるものです。
まるで運命が決まっているかのように、いや、運命は決まっているんです。
それなのに、なにを観客はたのしんでいるのか?
もちろんストーリー、これからどうなる、とかを知らないで観てるから、運命を知らないかのように楽しめるのでしょう。
でもそれだけではいけません、演劇は、その辺知ってても楽しめるんです。
ストーリーが、事前に分かっていても楽しめないと、あんまり演劇として成立していないんじゃないかと思っています。
演出家不在の演劇界はまだまだ続くと思いますが、作家さんだって、本当は、脚本を熟読してから観て欲しいとも思ってるんじゃないかなぁ。演劇なんだし。
演劇は、目の前で何かが起きているから面白いんだと思っています。

ということで、いちいちこれからやることを説明しながら上演しました。
そして、説明できないことをやることにしました。

もちろん、演劇ですから決まっていることをやっています。
決まっていながら、その場で何かが起きている、ということが重要だと思っています。
べつにみんなこうあるべきだとは思っていません、僕の作品はそう言う事が重視されているという事です。
それが、僕にとっての作品の幸せな状態です。
決まっているんだけど、この人達どうなっちゃうんだろうと、興味を持って見続けることが、僕が演劇を観るときに楽しいなと思う部分です。
それがないなら、家で音楽聞いてる方が僕は幸せです。

目隠しに関しては、今まではコミュニケーションが取れていると見せていたのですが、コミュニケーションが取れていない状態、コミュニケーションを取ろうとしている状態を使うことが出来たのが、個人としては収穫だと思っています。

ジャックとその主人が、日本では余りにもマイナーな作品ですが、ヨーロッパではこれを原作にすれば有名だから客が入る、というくらい有名(ムーランヌフ:イヴ氏談)な小説です。
基本的に、原作を知っている人が、作品を観て、これは原作を知らないとなぁ、というコメントは、全く信用に値しないと思っているんですが、(そういった事を言うひと100に対して、原作を知らなかったからよく分からなかった、という人は5くらいだと思っています。むしろ聞いたこと無い。)
今回は、原作知ってても知らなくてもストーリーはよく分からなかったと思います。
それは、原作を読んでもストーリーはよく分からないから、という、原作のせいにも出来ますが、ジャックとその主人のエピソードを元に、目が見えていて、これから舞台上で起きることを説明していた人達が、説明できなくなって、目も見えなくて、でもがんばってコミュニケーションをとろうと頑張る、でも取れない、というのが、この作品のストーリーで、それを毎ステージやっています。


倦怠期『CASTAYA』
この作品はこちらの写真の方が良いでしょう。
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CASTAYA氏は、僕の理想とする芸術家で、何のしがらみもなく、何も恐れることなく、自分の作りたい作品をただ作っている方です。
今回CASTAYA氏の作品を上演しようとなった経緯は、多田が色んな疑問を抱いたことからです。
演劇はLOVEですが、このまま作品を作り続けたところで、演劇も自分もはたして幸せになれるのだろうか疑問な、そんな倦怠期です。

内容については、まぁ「CASTAYA」で検索してください。
誰も知らない女優が出てきます。彼女は舞台中央に立ちます。40分立ちます。
その後、彼女は話します、韓国語で。韓国人の女優だったようです。
その後CASTAYA氏と、通訳役と3人で話をします、次第に通訳もしなくなり、全て韓国語で話されます。
最後にCASTYA氏が観客に韓国語で挨拶をし、終わりです。

出演者は、
カン・チョンイム(강정임)さん。
彼女は韓国人、韓国在住の女優さんで、今回の作品のために来日しました。
韓国での多田演出のロミオとジュリエットに出演しています。
東京デスロック規模の劇団で、海外からキャスティングが出来たことも大きな収穫です。
『CASTAYA』を上演するに当っては、現在では最高のキャスティングが出来たのだと思っています。

CASTAYA氏は、この作品は、鑑賞する事自体が作品となっているようなものです、その場にいた人それぞれが体験としての観劇を味わう作品です、と語っています。
演劇に必要な要素はほとんど兼ね備えています、あなたはこれが演劇でないならば何が演劇だと思いますか?と問います。
あなたにとって観劇とは何ですか?
ENRIC CASTAYAという名前の私の作品が、日本語上演だと思っていましたか?
舞台上で何も起きない、何かが起きる、という事をどう考えていますか?
演劇を一人で観ますか?一人が良いですか?
彼女が何を考えていたか知りたいですか?
彼女がどんな演出の元過ごしていたか知りたいですか?
それが過ぎ去ったあなたの観劇体験に何か影響を与えますか?
あなたは何の為に客席に座っているのですか?

と、様々な問いをCASTAYA氏は投げかけます。
僕も、今回の上演を経て、様々な回答を考えました。
今後の東京デスロックにとっては大きな収穫だと言えるでしょう。


CASTAYA氏からのメッセージです。
******************

今回の『CASTAYA』上演を経て、一つだけみなさんに知っておいてもらいたいことがあります。

今回、運が良いのか悪いのか、生まれて初めての観劇が『CASTAYA』だったという高校生からメールが来ました。
彼女は、この作品で演劇の可能性を感じ、演劇を将来の進路の一つに考えるようになったそうです。

『CASTAYA』は演劇初心者にはお勧めできない、という意見はあるでしょう。
もちろん、つまらないという人もいるでしょう。楽しんでいただける方がいるのも喜ばしいことです。
ただ、それは演劇を見慣れているかどうか、というのは、私は全く関係がないと思っています。
そう、全くです。全く関係ないと思っています。

私の作品は、限られた観客を相手にしていると言われることもあります。
ただ、それを言う人は、演劇初心者でもなければ、演劇を初めて見る高校生でもありません、そういう人達が、演劇初心者にはわからない、と言います。
演劇を日頃観ている人のそのアドバイスはもちろん良心から出ていることもわかっています、ただ、それが何のために出されたアドバイスであるかが私にはよく分かりません。
演劇を、誰でも楽しめるものだと思って欲しいのかもしれません。
ただ、私は演劇を誰でも楽しめるものだとは思っていません。音楽、美術など他の芸術と同じように。
ただ、誰にでも楽しむ権利があります。
演劇には音楽のような手軽さも無いでしょう。それは演劇の良いところだと思っています。
そのおかげで商業に浸食されずに済んでいるとも言えると思います。
オペラ、クラッシック音楽、バレエ、絵画、彫刻、版画、書、etc、日本では、ここに演劇が入らないと聞きます。
しかしこのどれも、誰にでも楽しめる、というものではなく、誰にでも楽しむ権利があるものだと思います。
果たして演劇は違うのでしょうか?
私は、演劇は誰にでも楽しめるものではないですが、楽しめる人を開拓したいと思っています。

私は常々、演劇を観たことが無い人に観て欲しいと思って作品を作っています、もちろん、演劇を初めて見る方からの声は、とても新鮮で、私の創作意欲はそこにしか無いとも言えるでしょう。
こんなに多様な演劇が、いまだエンターテイメント性一辺倒のイメージでしか存在し得ない事を憂うならば、お願いですからこの高校生のような方と演劇との出会いを遠ざけないで欲しい、と願うばかりです。

私の作品は、100人観て、たった1人でも、人生を変えれるくらいの体験を作る事が出来れば幸せです。
90人の満足より、1人の体験にかけています。本当は、もっと人数がいるとも思っています。
それが、分かる人にだけ分かる、という鼻持ちならならい雰囲気と誤解されることもあるでしょう、かまいません、ただ、その設定された分かる人、というのは誰のことでしょう?あなたですか?それとも他の誰かですか?例えば90人が満足する作品は、分からない人にも分かる作品ですか?私は、分からない人にも分かる作品なんて観たことがありません。
私は、奇跡的にも私の表現から、希有な体験をして頂けるかたがいるかも知れない、とは思っています。
観客の方には想像しずらいのだと思いますが、ただ、私には、表現することしかできないのです。
その先のことは、観客に委ねることしかできないのです。
私は観客に委ねます、ただ、観客は、他の観客には委ねられない何かがあるのかも知れません。
それは、それで良いのかも知れません、私には分かりません。

私は、舞台芸術の可能性を信じています。日本に於いても、まだまだ可能性は広がっていると感じています。
私は、私なりに、舞台芸術の幸せを願って作品を作ります、そのやり方は人それぞれで良いのです、当然のことです、色々な芸術家が色々な方法でやるべきです。
今回は、東京デスロックの主旨に共感し、作品上演にいたりました。
この作品が、日本の演劇の幸せに少しでもお役に立つことを願います。

今後、また私の作品が上演される日も来るかも知れません、来ない方が良いのかも知れません。
ただ、私は必要とされればいつでも作品を上演をする準備は出来ています。

では、また会う日まで。さようなら。

************************

東京デスロックで、多田淳之介作品以外を上演する、と言うことは、劇団としては大きな事です。
そのリスクを冒してまでも上演したことは、とても大きな財産になったと思います。
倦怠期を経て思うことは、僕たちは、この高校生とのような出会いを信じ続けます。
と言うことです。

今後も、発情、蜜月、倦怠を繰り返すのだと思います。
ただ、僕たちには、作品を作ることしかできないのでしょう。
そして、今回の3本立ては、特に意図したわけではないのですが、観劇に於ける観客をそれぞれ意識した作品群になりました。
そういう時期なのでしょう。それも良かったと思います。
観客と共に歩むしかないとも思っていますが、観客のことを考える必要は無いとも思っています。

そして、東京デスロックは、12月の年越し公演を最後に、しばらくは東京都内での活動をひっそりと休止します。
理由は、公表するかも知れませんし、しないかも知れません。
今後ともよろしくお願いします。




夏目さんの写真、特に2枚目のが最高ですi-179
面白かったなー・・・プッ(←思い出し笑い)
すっかり夏目さんの虜i-175になってしまったんですが、どうしたらいいですか主宰。

そして都内での活動休止って事は、地方では活動するって事でしょうか??
あんまり遠いと行けないけど、それはそれで楽しみですi-185
【2008/10/01 22:14】 URL | 夏目☆LOVE #qhVXTLRM[ 編集]















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