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光州の日々です。
ROSESさんの日記の裏番。ん?こっちが表なのか?

1/8
朝、成田へ、成田は遠い。
昼過ぎの飛行機でまずはソウルへ。

空港にアテンドの人は来ないので、どのバスに乗るか決まったら時間を伝えてくれと言われていたので、バス停を探し、もらっていた連絡先に電話する。
電話すると、なんと電話の相手は今空港で我々を待っているとのこと。
数メートル先で電話の相手を見つける。

そこからバスで4時間かけて光州へ。
バスを待ってる時間に、今日は劇場には入れないことを知る。
予定では、今日の夜から仕込みの予定。そのスケジュールで航空券の手配などをお願いしていた。
さっくりノリ打ち決定。
※ノリ打ち…一日の内に、小屋入り、仕込み、場当たり、リハーサル、本番を行うこと。

まぁしょうがない、航空券の手配など、日本語がほとんど喋れない人から電話がかかってきて、この予定で良いですか?と言われて、ダメです、と答えて、その「ダメです」が通じない、というやり取りだったのだから。

結局、この日はホテルに荷物を置いて、サムギョプサルを食べて終る。
もちろん、美味しい。

店に舞台監督も来て、打ち合わせ。
お互いに劇場のことや作品のことを初めて知る。
本番は明日である。
すでにこの時点でROSESさんに頼りっきり。
しかし、韓国ではいくら演出家といっても、年下の発言の弱さは否めない。
申し訳ないと思いつつも、頼る、今回はもう頼るしかない。

久々に韓国で飲むソジュは、やはり格別。
でもさすがに韓国に来た喜びに浸ってる余裕はない。


1/9
9時半より劇場入り。
午前中は暖房を入れられないとのこと。
もちろん、寒い。

初めて入る劇場。
もらっていた図面で想像していたよりは、狭いが、実際、広い。
舞台の使い方を考える。
まぁ、舞台美術を、一から考える。
とにかく考えることは、この状況でベストのもの、そして、作品として成立する可能性の高いものを選ぶということ。
行き当たりばったり公演には慣れているが、ちゃんとした劇場でノリ打ちはさすがに初。
袖幕とっぱらい、劇場の壁、照明のタワー、裏の休憩用スペースとか、まぁ全部見せにする。
照明のタワーが格好良い。
舞台監督以下スタッフは、とても優秀。
彼らはソウルから来ているスタッフで、後から聞いたら舞台監督は木花のスタッフとのこと。どうりで。
ただ彼らも雇われなので、劇場の事は彼らにもわからないことが多い。

まだまだ問題はある。
劇場が、韓国ではスタンダードな形だが、舞台前面が半円型になっている。
なんとかお願いして床面はリノを敷けるようになったが、リノは、舞台前の半円のスペースには敷くことが出来ない。
つまり舞台前部分は、白木の舞台がむき出しである。
ただでさえ客席との距離が致命的になりかねない作品である、考えたあげく(といっても数分だが、しかし数分で考えないといけない)舞台前面も照明機材むき出しで置いてもらって全体のバランスを取ることにする。

頼んでいたプロジェクターが到着し、使えることを確認、なんとかなるだろう。
字幕のオペも、ケーブルを引き回して俺が音響ブースでやることができるようだ。
危なかった、俺が出来ないとなると、他に出来る人は、いない。
一応字幕をだす部分は、音響は無いので、最悪俺がブースから移動して字幕オペに行くつもりではいたけども、本当に良かった。

午前中に舞台周り、テクニカルをあらかた決められた、大きなトラブルは起きていない。
ROSESさんは、通訳を介さずに、どんどこ照明の話も進めている。
ぶっちゃけ午前中で、通訳を介したのは数回しかなかったんじゃないだろうか。
通訳の人も、通訳をやるのは初めてで、プロではなく、ただ日本語を話すことが出来る人、である。
もちろん演劇の現場も初めて。
技術的なことはROSESさんに任せた方が多分10倍くらい早い。
実際に、2秒で終る会話が通訳を介すことで20秒かかる、ということはある。
今回は1秒でも惜しい現場だ。

昼食を食べ、場当たり。
色々問題はあるが、ゲネを優先する事にする。
ほぼ、ぶっつけゲネ。

ゲネを見て、いろいろ問題がハッキリする。
やはり、距離の問題が一番大きい。
俳優のやっていることは、おそらくほとんどもういじりようがない。

ゲネ後は俳優に色々注意点を伝え、ほとんどテクニカルの修正に当てる。
照明も、大幅に変えてもらう。
多分、この時のROSESさんとのやり取り、多分数分の会話だが、実は今回のハイライトの一つだったのではないかと思う。
俺の言葉足らずなところも、ちゃんと読み取ってもらえているのを明りを見て感じる。
俳優とのやり取りもそうだが、こちらが言葉で完全に説明することは出来ない、ただ、言葉でしか話せない、でもそこで言葉になっていない部分のやり取りが、演劇の面白いところだと思う。
お互いに、言葉には出来ないのだが、やり取りは言葉でしかできない、が、目の前には言葉ではないものが出来上がってくる。

ゲネが終ったのが16時過ぎ、19時開演なので、俳優に付き合ってもらえるのはあと1時間半程度。
俳優達の確認作業、自主練と、照明合せを同時に行う。
全てのシーンを確認している時間はない。
踊りの部分だけを通す。
照明は格段にゲネの問題点を解消してくれた。
なにしろ時間がない、ROSESさんに出来るだけイメージを伝えるようにして、あとは本番よろしくお願いします、と言うことしかできない。

俺の問題として、まだいくつか、字幕のタイミング、あと最後の曲が気に入っていない、多分この曲ではダメだ、と言うことはわかっている。
まもなく本番1時間前だというのに、ブースで選曲をする、俳優には、本番違う曲がかかる可能性があるけども、よろしく、と伝える、もうメチャクチャだ。
最悪、そのシーンまでに選曲が終ればなんとかなる。
と、一人ブースでテンパっている時に、フェスティバルの芸術監督と舞台監督と通訳が音響ブースにやってくる。
まぁゲネ後からかなり怪しい動きをしていたから薄々気付いていたんだが、どうやら芸術監督がゲネを見て気に入ってない様子。
こっちはそれどころではない。

通訳から、「この作品はわかりづらい、と芸術監督が言っている、わたしもよくわからない、開演前に観客にこの作品の見所などを説明してから上演するのはどうか」と言われる。
ちょっと、もう、どうかしている。
俺も完全にそれどころではない。
完全に思考回路がショートする。
まぁ、暗にこの作品はつまらない、と伝えられたわけだ。
こちとら、この作品を面白くするためのありとあらゆる事をしているときに。
とりあえず、今できることを全てやるしかないし、このまま何もしないで本番を迎えるとどうなるのかは自分が一番良くわかっていたので、残りの時間は一秒たりとも無駄に出来ない、と言うときに。

まぁ光州というのはソウルと違っていわゆる地方であり、観に来る人も、普段芸術鑑賞などに慣れているわけではない人が多いから、観客にわからないと思われたくない、と言うことらしい。
もちろん俺の脳裏にもあの人顔が浮かんだ。
早速光州で東京デスロックが今後戦うであろう地方公演の問題に直面したのである。

しかし、今、日本語が完璧には話せない通訳を介して芸術監督に説明する事が、時間の使い方として正しいのか、一番やるべき事は、選曲と、俳優への指示だと言うことだけは分かっている。

そしてその時、客席にROSESさんの姿が、見つけたときにはもうROSESさんの名前を叫んでいた。
事情を説明し、相談する。
本来、照明家に相談することでは全くない、でももう頼れるものには頼るしかない。
ROSESさんは、とてもスマートに、俺の考えを読み取り、答えてくれた。
ROSESさんの返答で、通訳も、芸術監督も納得してくれた様子。
通訳が納得する必要はもちろんないが、彼女は自分が納得しないと通訳できないタイプの人なのでここではそれがとても重要だった。
ここは、間違いなく今回のハイライトである。

そして、本番をむかえる。
こんな気持ちで本番をむかえたのは初めてだ。
やるべき事は全てやった。
いつもなら、俳優が多少間違えようと、稽古通りのことが起これば、何の問題もない、上手くいく確信がある。
今回は、その確信がない。確証がない。
全て、予測で指示を出している。もしかしたらその指示が間違っている可能性がある。
その結果、矢面に立っているのは俳優で、もちろんスタッフも、その時動いているのは演出家以外の人である。
彼らは、全て演出家の演出を元に作品をよくするために動いている、もしかしたら、彼らのその労力が、無駄になる可能性もある。演出家の責任だけど、演出家は矢面には立っていない。
何という現場を作ってしまったんだろうと、凹む。
自分の予測を信じるしかないが、信じることと確証はほど遠い。
間違っていたかどうかはその瞬間に自分が一番良くわかる。
そんでまぁ、凹んでる場合ではない。

そして開演ギリギリまで、思いついたことは俳優に指示を出し、開演。
お客さんは500の客席に半分くらい。多分光州なら上出来だろう。

本番は、とても素晴らしいものでした。
俳優達も照明も、とても素晴らしかった。
その瞬間に出せるポテンシャルを皆が発揮していたと思う。
ノリ打ち1ステージのみというのも良い感じに後押ししていたのだろう、とりあえず素晴らしかったです。
恐らくこの後に本番をむかえていたら、何の不安もなくいつものように本番をむかえていたと思う。

懸案の曲は、かける数秒前に決定し、変更。
俳優には申し訳ないことをしたが、その変更も、恐らくとても上手くいっていた。

そして観客の反応だが、笑いも起き、「LOVE」初演を見た人ならわかると思うが、後半連呼される「あー良いですよね」という台詞を観客も声を出して言うという、反応。
つまり、とても反応が良かったわけです。
子供達も多く見に来ていたが、終演後ロビーで子供達が「あー良いですよね」と言ってふざけていたりした。もちろん日本語で。
彼らは、もしかしたら演劇は面白いと思ってくれたかもしれない。

芸術監督も、初めての光州での演劇フェスティバルで、ああいう提案をするのは良くわかる、責めるつもりはないが、これから先も、何を信じて作品を上演するかということを強く考える良い機会になりました。

終演後、大学の教授の方とも話し、評価してくれているようでした。
初演の話もして、まぁもちろんもっと狭い空間で見た方が面白いだろう、とも言われました。
ロミジュリの時も大学の教授の人達からはすごい褒められたな、どうやら韓国の大学筋にはウケが良いようだ。

今回は、この劇場、この日程で、最良のものが作れたと思います。
本当に俳優、スタッフに感謝します。

そして終演後ROSESさんを通じて、舞台監督から、開演前に芸術監督が言ったことを気にしないで欲しい、彼も本番を見て開演前とは違う事を考えたかもしれない、と伝えられる。

そして劇場を出ると雪。

ホテルの近くで打ち上げ。
美味い、光州は、韓国で一番料理が美味しい、とのこと。
しかし、ポンテギは相変わらず苦手だ…。

こうして東京デスロック初の海外公演は無事終了しました。
時間は短かったですが、とても濃密な、一日を過ごしました。
多分一生忘れません。

明けましておめでとうございます。


1/10
朝9時に俺は別行動で劇場へ。
諸々契約書にサインし、笑える感じの公演フィーを受け取る。
韓国でそれなりの額をもらうと、やっぱ笑えるな、まぁ給料を全て1000円札で受け取ると思ってください。
封筒パンパン、立つ立つ。

駅でみんなと合流し、ソウルへ。
雪はソウルでは降っていなかったが、寒い、とにかく寒い。
マイナス10℃とか。

新村のホテルにチェックインし、大学路へ。
CASTAYAに出てくれたチョンイムが出ている「十二夜」を観劇。
面白かったなぁ。
4月に比べると、韓国語の演劇を見ても分る単語が増えていて楽しい。

皆を4月に毎日通っていた店に案内し食事。
懐かしいなぁ。
でまぁ美味い。

新村にもどり、ロミオとジュリエットの出演者達と飲む。
彼らとの再会は、まぁ、言葉にならないです。
今年は多分また彼らと作品が作れるし、皆元気そうで、相変わらずで。
後から日本の俳優達も合流。
デスロックで韓国に来て、韓国の俳優達とみんなが一緒に飲んでる姿を見る日がこんなに早く来るなんて。
言葉にならないです。
なんだか去年1年そこそこ頑張ったご褒美的な時間を過ごせたと思います。
また今年も頑張れそうな気がします。

飲む、とりあえず飲む。
多分5時過ぎとかまで飲んでいたと思う。
最後真っ直ぐ歩けなくなって、ホテルに帰る。

部屋に入り、とりあえずは嘔吐。
朦朧としながら荷造りをして寝る。


1/11
8時過ぎチェックアウト、バスで空港へ。
完璧な二日酔い。

寝まくってたら日本に着いた。

帰宅し、高円寺でスペクターズ新年会。
新年早々暗い話題で盛り上がる。

さすがにちょっと休みます。





















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