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まず始めに、このエントリーが、作品の正解、といったことではありません。
あなたの観劇体験を大切にしてください。


CASTAYA projectについて。

CASTAYA氏のプロジェクト、というよりも、CASTAYAシステムを推進するプロジェクトといったほうがしっくりくるかもしれない。
CASTAYA氏は、いまさらですが、僕の理想とする演劇人として創りあげられた人物です。
CASTAYA projectは、僕だけではなく、様々な演出家がCASTAYA氏を創りあげ、作品を創作する、という為のプロジェクトです。
そして、いまさらですが、カステーヤと発音します。
恐らく、いってしまえば、CASTAYA氏が、全ての人の中に存在することを目指しています。


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CASTAYA氏より『Are You Experienced ?』について。

今回の公演は、演劇の一回性、一回性の芸術における同一性に主軸をおいた作品です。
作品群ではなく、トータルで一つの作品、公演という行為自体を作品化したといえるでしょう。
演劇というものは、今この瞬間にしか存在しない、という要素が非常に強いです。
しかし、実は見落としがちな要素でもあります。
観客の多くは、おそらく昨日の公演も、そして明日の公演も、今自分が見ているものと同じものが上演されると考えるでしょう。
しかし、それは違います。昨日のあなたと、明日のあなたが違うように。
観客の多くは、プロのアーティストならば、毎日同じものを提供するべきだと考えるでしょう。
しかし、それは違います。演劇は、同じ瞬間というものは不可能だという前提の芸術です。
今回の公演は、その演劇の要素を作品化したものです。
今回の観客は、この観劇が、今この瞬間にしか存在しない、ということを、どれくらい考えて観劇したでしょうか。おそらく、ほとんどの観客が、そのことは頭になかったのではないかと想像します。
しかし、もう二度とこの観劇をすることはないのです。
ステージによって内容が違う、ということが大切なのではありません、全ての演劇がそうなのです。
そして、今この瞬間にしか存在しない演劇と、今この瞬間にしか存在しないあなたの間に起きること、それが観劇だと私は考えています。

しかし私は、それを観客に伝えるために作品を作るわけではありません。
私は、私の考えに沿って表現をするだけです。
今回の公演を観劇して、演劇の一回性が頭によぎる必要は全くありません。
作り手の表現の根幹になったもの、おそらくテーマという言葉で語られることが多いそれを伝えるための表現は、前時代のものでしょう。
演劇は、他の芸術に比べて、その点においては遅れています。
作り手のテーマを受け取る、という構図がまだまだ主たる観劇という行為の構造となっていると言えるでしょう。
作り手の意図がわからない、やりたいことがわからない、といった感想を持つ観客も多いでしょう。
作り手の意図を理解することも、必要がないとは言いませんが、そこに留まる必要はないと考えます。
そこにある演劇と、そこにいるあなたが大切なのです。

私は、特に日本における演劇の今のこの状況に対して変革を求めているわけではありません。
これが日本の演劇なのだという理解をしています。
しかし私の作品においては、そういった構造の観劇をする観客にとって不快な体験になることを厭いません。

私は私の考えに沿って作品を作ります。
私は、必要とされればいつでも作品を作る準備はできています。

では、また会う日まで。

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今回の公演は、CASTAYA氏も言っているとおり、演劇の一回性、同一性による作品です。

通常、公演の全ステージに共通しているものが、戯曲、俳優、演出、だとしたら、今回共通していたものは、その全てが共通していないということでしょう。
そして、それを観客は知らないということでしょう。
もちろん熱心な演劇愛好家は情報を集め、今回は全ステージ別演目か、という楽しみ方もあったと思います。ただ、今回の公演では、全部違う、という楽しみかたより、全部同じだという楽しみ方のほうが、発見はあったのかもしれません。
まぁ毎日別演目とか、全然よくあるし。

CASTAYAの一番の特徴は、無記名性にあります。
それは、例えば多田演出を見る際、今回はこうきたかー、という見方よりも、作品そのものを見ること、それは、多田+作品という見かたとは、全然違うことだということです。
そして、これまでの実感としては、僕の作品は実は僕のことをまったく知らない人のほうが、作品を楽しんでいると感じています。もちろん僕を知っていても作品だけを観てくれている人がいることも知っています。
今回も、僕がどの作品にどのように関わったかは言いません。
おそらく観客が予想していないことも起きているでしょう。
誰が作ったかなんて、そんなことはどうでもいいことです。

今回のCASTAYAはこうきたかー、ここから前回のCASTAYAか?という見方は、今その場で起きていることと向き合う妨げにしかならないのではないかと思っています。
例えば、よく知らない外国人の作品だとしたら、ぜんぜん違う見方をしたのではないでしょうか?

CASTAYA projectは、今後更に無記名性を強めて行くでしょう。


各ステージについては何も言うことはありません、皆さんが少しでも楽しんでいただけたならそれで十分です。

ただ、最後に、最終日のステージの終わりについては少し書きます。

僕は俳優として舞台に立ちました。
内容については、web上で書いてくれている人がいるので探してみてください。

僕は文字通り立っていました。
客電も点き、扉も開かれ、劇中にも、観客は劇場を出ると観客ではなくなる、演劇は観客と共に存在する、と語られていたように、観客個々によって、演劇を終わらせるという時間だと理解して立っていました。
そして、実はこれは全員が途中退出するということだとも考えていました。
しかしそれは途中ではなく、それぞれの終演であっていいのだと思います。

僕が立っていたのは約2時間、公演自体は結果3時間にも及ぶものとなりました。
立っている間、様々なことが頭を去来していました。
もちろん、やべ、ゲップでそうとか、うわ、目の焦点が合わない、とか、うーん、こっちに重心かけると足が痙攣するなぁ、とかも考えていましたけども。
舞台上に居たので何もできませんでしたが、一人ひとり帰っていくお客さんに、ありがとうございますの思いで居ました。帰った人の為にも、変わらず立ち続けなければいけないと、何も変わらずに、ただ立っていようと、途中で帰っていく人に勇気付けられるのもおかしな話ですが、そういう感じでした。

拍手をして帰っていく方、舞台に一礼して帰っていく方、大きくため息をついて帰っていく方、色々な方が居ました。舞台上からはお礼がいえなかったので、この場で、本当にありがとうございました。

終演後に客席にお辞儀をする意味が、ようやくわかった気がします。
観てくれてありがとうじゃなかった。演劇を存在させてくれてありがとうでした。

そして、いつまでも演劇を観続けてくれた方、いまここに演劇が存在していることを感じ、とても幸せな時間でした。
あの時間が、観客にとっても貴重な時間となったことを願っています。

今回はああいった形での終わりとなりました。
恐らく僕が何を考えていたのかは、奇しくもスタッフ以外の全員には伝わっていたと思います。
伝えすぎたのかもしれません。
今回の公演の責任者は自分です。自分の指示不足でした。反省しています。

演劇には終わりがくる、という簡単な言葉では済ませたくありません。
しかし、僕には、まだ観続けたかったというかたのその思いに、演劇の未来を託すしかできません。
いつまでも演劇を存在させたいという思いが、演劇を幸せにしてくれるのではないかと、勝手ながら思っています。

芸術家は傷ついてなんぼの仕事です。
自分の考えていることは、自分以外の誰にも理解されないという前提の仕事です。
自分の作品が邪魔されようと、そこから生まれていくものと付き合っていくしかありません。
しかし、観客は違います。
その点のおいて、終わり方に関しては大変申し訳なかったと思っています。
僕が人を傷つけるときは、作品を邪魔されたときです。
自分の作品が邪魔されるのはどうでもいいですが、観ている観客の演劇を邪魔されることに対しては、人を傷つけても守らなくてはいけないのだと、改めて思いました。

では、どうしたかったのかだけ最後に書いておきます。
僕は、いずれは閉館時間がくるということでいいのだと思っています。
今回の作品の終わり方は一つだけ、観客が終わらせるしかありません。
どうしても終わらせられない人には、閉館時間がその手伝いをしてくれるのだと思います。
理想としては、朝まで、いつまでも、というのも考えましたが、今回の公演は、続いていくことよりも、終わらせることに重きが置かれていたとご理解いただければと思います。


CASTAYA project『Are You Experienced?』多くのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
またのご来場心よりお待ちしております。
Enric Castayaに代わってお礼申し上げます。


追伸
いやーさすがに2時間立ち続けるのは大変でした。
体ぼろぼろです、まだ足がおかしい。
まったくお勧めできません。でも俳優なら一度やってみるといいかもしれません。
今回の公演でも色々発見がありました、またがんばります。

全ての友人に感謝します。

演劇LOVE。




















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